はじめに
2025年7月3日(木)・4日(金)の2日間、株式会社スリーシェイクの夏ワークショップを開催しました。今回は13名の学生の皆さんにご参加いただき、クラウドネイティブ技術の世界を体験していただきました。
📸 ワークショップの様子
Day 1(7月3日)
いよいよワークショップのスタートです!まずは2日間の流れと学習方法について説明させていただきました。
13:00-13:30 ワークショップ説明
今回の大きな特徴は、講義形式ではなく自己学習型を採用したこと。これはAI時代のエンジニアに最も必要なのは「深い理解に基づく問題解決力」という仮説からです。
生成AIによって「動くコード」を簡単に作れる時代だからこそ、「なぜ動くのか」を理解することが決定的に重要になりました。参加者の皆さんには、単に教材を進めるだけでなく、技術の本質を理解し、エラーの原因を考察し、複数のアプローチを検討するという、エンジニアリングを体験していただきました。
メンターのエンジニアは各チームを巡回しますが、答えを教えるのではなく、「なぜそのエラーが出たと思うか」「このコードが動く仕組みは何か」「セキュリティやパフォーマンスの観点からはどうか」といった本質的な問いを投げかけます。これは、表面的な成功と深い理解の違いを実感してもらうための意図的なアプローチです。
2日間でコンテナ技術、Kubernetes、そしてArgo CDを使ったCI/CDまで学びますが、重要なのは「動かすこと」ではなく「理解すること」。エラーが出たときこそ、内部で何が起きているのか、なぜそのような設計になっているのかを考える絶好の機会です。
AIが生成したコードをコピー&ペーストするだけでは見えない、エラー処理、セキュリティ、スケーラビリティといった本質的な課題に向き合うことで、AI時代でも価値を発揮できるエンジニアへの第一歩を踏み出していただきます。
13:30-18:00 ワークショップ Part1
本格的なハンズオンがスタート!
実施内容:
- コンテナ技術の基礎と実践
- コンテナの基本概念や技術の説明
- Dockerによるアプリケーションのコンテナ化
- マルチステージビルドによる軽量イメージの作成
- Kubernetes入門
- Kubernetesのアーキテクチャとコンポーネントの理解
- Pod、Service、Deploymentなどの基本概念
- kubectlコマンドによる基本操作
メンターのSREエンジニアが各テーブルについて、一人ひとりの進捗に合わせてサポート。初めてKubernetesに触れる方も、着実にステップを進めていました。

18:30-20:30 懇親会
オフライン参加者の皆さんと一緒に懇親会を開催!美味しいお寿司を囲みながら、リラックスした雰囲気で交流を深めました。
技術的な話題では、「初めてKubernetesに触れたけど、メンターさんのサポートのおかげで理解できた!」「実際の現場ではどんな風に使われているの?」といった質問が飛び交い、現役SREエンジニアのリアルな体験談に皆さん興味津々でした。
また、技術の話だけでなく、学生生活の悩みや将来の夢、就活の軸など、プライベートな話題でも大いに盛り上がりました。「SREを目指すきっかけは?」「文系出身でもエンジニアになれる?」「インターンで身につけておくべきスキルは?」など、普段なかなか聞けない本音の話も。メンターも学生時代の失敗談や転職経験を交えながら、ざっくばらんに語り合いました。
参加者同士も「同じ志を持つ仲間と出会えて嬉しい」「他大学の人と技術について語れる機会は貴重」と、連絡先を交換する姿もありました。
楽しすぎて時間があっという間に過ぎ、気づいたら懇親している写真を撮り忘れていました…!代わりにお寿司の写真だけ載せておきます。次回はぜひ、この和気あいあいとした雰囲気を直接体験しに来てください!

Day 2(7月4日)
13:00-17:00 ワークショップ Part2
2日目は、より実践的な内容にチャレンジ!
実施内容:
- 前日の課題
- GitOpsによる継続的デリバリー
- ArgoCDを使用した宣言的なアプリケーションデプロイメント
- Git as Single Source of Truthの実践
- 自動同期とマニュアル同期の使い分け
各チームには専属のメンターがついているので、実務で使えるTipsやベストプラクティスも共有させていただきました。
17:00-18:00 振り返り
最後は全体での振り返りセッション。各チーム内で「理解できたこと」「なぜそう動くのか分かったこと」「まだ理解が浅い部分」を共有しました。
多くの参加者が、エラーメッセージから根本原因を推測できるようになり、Kubernetesの設計思想について理解を深め、ログの構造を把握してトラブルシューティングの道筋を立てられるようになったと報告しました。2日間で「表面的な動作」から「深い理解」へのシフトを実感できたようです。
特に印象的だったのは、AIに頼る前にまず自分でエラーの意味を考えるようになったという変化です。これこそが、生成AI時代に求められる本質的なエンジニアリング力だと確信しました。
また、動くコードを書くことと、なぜ動くのかを説明できることの違いを実感し、セキュリティやパフォーマンスといった見えない部分の重要性に気づいた参加者も多くいました。AIが生成したコードの裏側にある設計思想や制約条件を理解することの価値を、手を動かしながら体感していただけたようです。
キャリア相談では「AIに代替されないエンジニアになるには?」という質問に対し、今回のワークショップで体験した「深い理解に基づく問題解決」こそが答えだと伝えました。
AIは「How(どうやって)」は教えてくれますが、「Why(なぜ)」を理解し、適切な判断を下せるのは人間だけです。
具体的なアドバイスとして私(nwiizo)は「バックエンドエンジニアのためのインフラ・クラウド大全」と「これから伸びるエンジニア職とは?」をおすすめしました。
💡 実施したハンズオンの詳細
使用した技術スタック
- コンテナ技術: Docker, Kubernetes
- CI/CD: GitHub Actions, ArgoCD
- その他: Helm,helmfile,Renovate
作成したもの
参加者の皆さんには、以下のような成果物を作成していただきました。
- シンプルなWebアプリケーションのコンテナ化
- Kubernetesクラスタへのデプロイメント
- 自動スケーリングの設定
- 基本的な監視ダッシュボードの構築
📊 開催データ
- 参加者数: 13名
- 参加形態: オンライン 11名 / オフライン 2名
- メンター数: 4名(各チームに1〜2名配置)
🎯 参加者の反応・感想
- 今までさわったことがなかったk8sについてゼロの状態から学ぶことができ、 また更に一歩深い理解をするための問いなどもあり、たったの二日間でかなり初歩について 学ぶことができました。
- 不明点や質問もメンターの方にしやすく、学びの大きいインターンシップになりました。 自分のスピードで進められ、理解を深めることができたと感じています。
- 初めて触れるような技術に手を動かしながら学んで、現場で考慮するような事柄まで学ぶことができました。自分が知らなかったDockerの仕組みを知ることができたことや、自分でやりつつわからなかったら質問するというやり方が参加のレベルに応じて調節できるので良いと思いました。
🚀 今後の展望
ワークショップで扱っているSREやKubernetesなど、難しい技術領域について興味をもち理解する起点になって欲しい想いは大きいですが、それと同じくらいワークショップ内で発生するコミュニケーションの価値を重く見ています。
実際SREやKubernetesのような概念を2日間という短い期間で全て理解することは難しく、参加者の経験も様々であることから最終的な進捗や理解度は人それぞれになることが予想できます。また、未知の情報のキャッチアップやハンズオンなどの内容は自然と1人でのもくもく作業になりがちです。
生成AIでの検索が一般的になり、学生が生成AIのペアで作業を続けることも自然です。しかし、ワークショップは様々なバックグラウンドを持った人が2日間同じ場所で取り組むイベントです。ワークショップだからこそ生まれる人間同士の情報交換や意見交換の発生を活性化させ、参加者により良い経験を持って帰っていただけるコンテンツを目指して改善していきます。
📢 次回開催について
スリーシェイクでは年4回、定期的にワークショップを開催しています。 次回は秋の開催を予定しておりますので、今回参加できなかった方も、ぜひ次回のご参加をお待ちしています!
最新情報は以下でお知らせします:
💬 メンターからのメッセージ
今回メンターを務めたSREエンジニアから、参加者の皆さんへメッセージです。
「これまでKubernetesについて全く知らなかったり、インフラ領域に全くかかわりがなかった方々には特に難しい概念だったかもしれません。どのような課題を解決するために生まれた技術なのかを考えたり理解することで、普段の領域にも生かすことができる場面があると思います。少しでも何かのきっかけになっていれば嬉しいです!」
— Sreake事業部 エンジニア
2日間未知の領域について生成AIを使用して取り組む中で、生成される膨大な情報を整理したり、それをもとに自分の意見を作り上げるスキルが必要になってきたことを感じられたと思います。どのような仕事でも今後必要とされそうなスキルですので、技術以外にもフィードバックがある機会になっていたら嬉しいです。
— Sreake事業部 エンジニア
「チーム開発演習では、技術的な成長だけでなく、コミュニケーションの重要性も体感していただけたと思います。SREは技術力とチームワークの両方が求められる仕事です。今回の経験を活かして、素晴らしいエンジニアになってください!」
— Sreake事業部 事業部長
🙏 最後に
ご参加いただいた13名の皆さん、2日間本当にお疲れさまでした! 短い時間でしたが、SREやインフラエンジニアの世界を少しでも体験していただけたなら幸いです。
また、今回のワークショップ開催にあたり、ご協力いただいた全ての方々に感謝申し上げます。
スリーシェイクは、これからも次世代のエンジニア育成に貢献してまいります。 今後ともよろしくお願いいたします!
📌 お問い合わせ
ワークショップに関するご質問は、採用担当までお気軽にお問い合わせください。
年4回開催のワークショップ&インターンシップ!SREに強みを持つ会社でSREの技術について学びたい方募集
https://hrmos.co/pages/threeshake/jobs/I_9998
株式会社スリーシェイク 採用情報(新卒:エンジニア職)
https://jobs-3-shake.com/株式会社スリーシェイク-採用情報新卒エンジニア職