Google Cloud Next 2025 データベースRecap ~データベース関連の全41リリースを紹介~

Naoki Nakadate

2025.4.17

AgentspaceやAgent Development Kit、A2A Protocolの発表など生成AI関連の発表が目立ったGoogle Cloud Next 2025ですが、データベース関連でも魅力的なリリースがたくさんありました。

このブログではGoogle Cloud Next 2025で発表されたデータベース関連の全リリースを出展付きで、どのようなメリットがあるかを含めて紹介します。

ここで扱うデータベースはオペレーション処理を中心とするデータベースに限定します。そのためBigQueryや分析ワークロードのアップデートについての言及は原則しません。

データベース関連のアップデート全体の総評としては生成AIと組み合わせて利用する機能や、生成AIによる改善を行ったアップデートが多かったです。

注目のリリース

Google Cloud Next 2025ではセッションで触れられたアップデート、触れられなかったアップデートが大小合わせて41ありました。

ここでは全て読む時間がない方向けに、Google Cloud Nextに現地で参加して特に注目したほうが良いと感じたアップデートを5つリストアップします。

  1. MCP Toolbox for Databasesの提供開始
  2. AlloyDB AIクエリエンジンの提供開始
  3. Armベースのコストあたりのパフォーマンスが高いインスタンスの提供開始
  4. MongoDBインターフェースの提供開始
  5. Oracle Database@Google Cloudの東京・大阪リージョンが提供を発表

個別のアップデート単位ではリストアップできなかった内容ではありますが、Spanner関連の更新は生成AIアプリが求める様々なタイプのデータモデルをサポートする機能を提供しており、大きな進化を遂げました。今後のSpannerの動向からも目が離せません。

ソリューション別リリース

ネットワークのハブ化

Cloud WANの提供開始

Googleサービスの裏側で利用されてきた通信網がGoogle Cloudユーザーに開放されます。これにより、大陸間レベルで距離が離れた拠点間のネットワークを高速に通信させることができるようになります。

Cloud WANという名前で発表されてはいるのものの、下記の3製品の組み合わせによって実現されるサービスです。

  1. Cloud Interconnect オンプレミスとGoogle Cloudリージョン間の接続を可能にするサービス
  2. Cross-Cloud Interconnect Google CloudとAWS / Azure / OCIと接続するサービス
  3. Cross-Site Interconnect 今回新規でプレビューになったサービス 顧客の持つデータセンターやオフィスネットワークの間をGoogle Cloudのバックボーンネットワーク経由で接続するサービス

データベースの観点では日本と北米、ヨーロッパのような大陸をまたいだデータセンターに分散データベースを構築するときに課題となる通信速度を大きく改善できるソリューションの一つとして期待することができます。

Cloud WAN: Connect your global enterprise with a network built for the AI eras

生成AIの躍進

MCP Toolbox for Databasesの提供開始

MCP Toolbox for Databases(旧 Gen AI Toolbox for Databases)にModel Context Protocol(MCP)がサポートされました。

このツールボックスでは様々なデータベースと接続可能なMCPサーバを提供します。

これによりGoogle Cloudが提供するデータベースはもちろん、DgraphやNeo4jといったグラフデータベースに対して高機能なAI Agentを簡単に作ることができるようになります。

現時点では7種類のデータベースのみがサポートされていますが、近日中により多くのデータベースをサポートすることにも言及されています。

Introduction |MCP Toolbox for Databases

New generative AI capabilities in AlloyDB and agentic programming with MCP

Google AgentspaceからAlloyDBの構造化データの検索が提供開始

Google AgentspaceはGoogle Cloudのデータソースに加えてOneDriveやSharepoint、Jira、Confluenceといった様々な企業で利用されるナレッジベースとGeminiを接続してRAG検索を可能にするアプリケーションです。

これまでGoogle CloudのデータソースとしてサポートされていなかったAlloyDBの構造化データを扱えるようになったため、AlloyDBを利用するアプリケーションやシステムのデータを検索対象とすることができます。

we’re enabling Google Agentspace to search structured data in AlloyDB

Database Migration Serviceの拡張

MCP Toolbox for Databasesの提供開始

SQL ServerからPostgreSQLへの移行をサポートする機能がDatabase Migration ServiceにPreviewステータスでリリースされました。

これにより、SQL Serverからベクトル検索やAI関連の機能へのサポートが豊富なPostgreSQLベースのデータベースへの移行が簡単に行えるようになりました。

このリリースではCloud SQL for PostgreSQLとAlloyDB for PostgreSQLがサポートされています。

Database Migration Service for heterogeneous SQL Server to Cloud SQL for PostgreSQL 

Database Migration Service for heterogeneous SQL Server to AlloyDB for PostgreSQL 

Database Migration Service release notes 

AlloyDBの発展

Armベースのコストあたりのパフォーマンスが高いインスタンスの提供開始

Googleが開発するArmベースのCPUであるAxionがPreviewステータスで利用可能になりました。

Axionインスタンスを利用することで、従来のNシリーズのインスタンスに比べて最大45パーセントのコストパフォーマンスの改善が可能になります。

AWSが提供するArmベースのCPUであるGraviton 4で動作するAmazon Auroraに最大3倍のコストパフォーマンスの改善が可能になります。またスループットについても最大2倍のパフォーマンス改善が可能です。

Google Axion processors boost AlloyDB, Cloud SQL, major customers, and ISVs

マネージドコネクションプーリングが提供開始

AlloyDBでコネクションプーリングを提供する機能がPreviewステータスでリリースされました。

これまでAlloyDBではリードレプリカインスタンスを建てることで参照処理のスケールアウトが可能でしたが、コネクションプーリングの提供がありませんでした。

マネージドコネクションプーリングを利用することで、突然のコネクション数のスパイクに対応できるほか、接続時のパフォーマンス改善、読み取りワークロードのスケーラビリティの向上が期待できます。

マネージド接続プーリングを構成する 

より高機能なQuery Insightsの提供開始

パフォーマンスボトルネックを特定するためのツールであるQuery Insightsに加えて、より高度な機能を提供するAdvanced Query InsightsがGAステータスで提供されます。

この機能はデータベースのクエリパフォーマンスの課題をほぼリアルタイムで検出し、トラブルシューティングや予防に役立てることができます。

高度な Query Insights 機能の概要 

AI Assistanceによるトラブルシューティング機能の提供開始

AI Assistanceを使ってスロークエリの改善とデータベースの高負荷を改善する機能がPreviewステータスでリリースされました。

AI AssistanceはAlloyDBのAIアシスタント機能とGemini Cloud Assistantを利用し、調査・分析・推奨事項の取得ができます。それらの情報をもとに、クエリやデータベース構成の最適化を行うことが可能となります。

そのためDBAはもちろん、データベースの管理を専門としない開発者がデータベースの改善を行うことができるようになります。

AI 支援による低速なクエリのトラブルシューティング 

AI を活用してデータベースの負荷が高い問題をトラブルシューティングする 

2つの時点のパフォーマンスメトリクスを比較しデータベースの課題解決をアシストするツールが提供開始

AlloyDBのパフォーマンスに関するメトリクスのスナップショットを取得し、比較を行うことでデータベースの課題を特定する機能であるAlloyDB Performance SnapshotsがGAステータスでリリースされました。

この機能によりシステム分析情報やQuery Insights、メトリクスエクスプローラーといった機能では取得できなかった情報を保管し、データベースのパフォーマンス改善につなげることができます。

Optimize database performance by comparing performance snapshots 

インプレースメジャーバージョンアップ機能が提供開始

新しいクラスタに移行することなくAlloyDBのメジャーバージョンアップを行うことができる機能がGAステータスでリリースされました。

この機能により今まで新しいバージョンのインスタンスにデータ移行することでしかメジャーバージョンアップすることができなかったAlloyDBが、インスタンス移行を行うことなくバージョンアップすることができるようになりました。

データベースのインプレース メジャー バージョン アップグレードの概要 

1vCPUからAlloyDBが利用可能に

これまで最小8vCPUから利用可能だったところ1vCPUからスモールスタートできるようになりました。これはGAステータスでリリースされました。

このリリースによりスモールスタート時にはコストの問題からAlloyDBの利用を見送るようなケースでもAlloyDBを選択する余地が増え、サービスが小さい時期からAlloyDBの優れた機能を利用することができるようになりました。

AlloyDB for PostgreSQL release notes 

Analytics Acceleratorによる他カラムでの絞り込みと組み合わせたベクトル検索の高速化

これまでAlloyDBではGoogleの培ってきたベクトル検索技術を生かしたScaNNインデックスによる高性能なベクトルインデクスを提供してきました。

今回のリリースではこのScaNNインデクスと従来の検索手法を組み合わせた検索をAnalytics Acceleratorによって最適化できるようになりました。

これにより、PostgreSQLのpg_vectorで提供されるHNSWインデックスを利用した他カラムと組み合わせた絞り込みに比べ最大10倍高速な検索が可能になり、顧客体験やリソース効率の改善が期待できます。

Google Cloud databases supercharge the AI developer experience

3つの新しいAI モデルが提供開始

これまでAlloyDBで利用可能だったLLMモデルに加え、クロスアテンションリランキングモデル、マルチモーダルエンベディングモデル、最新のGeminiテキストエンベディングモデルが利用可能になりました。

これによりこれまでのテキストに加え画像や音声、動画の検索やリランキングモデルを利用したより精度の高いベクトル検索が可能になります。

Google Cloud databases supercharge the AI developer experience

AlloyDB AI Natural Languageによる自然言語での検索を提供開始

AlloyDB AI Natural LanguageによりSQLのメタデータやコンテキストをVertexAIに連携することで、自然言語で制度の高い検索が可能になりました。

データベース内でテーブルの内容や他テーブルとのリレーションやプライマリキーといったコンテキストを事前に生成しておくことで、従来のtext2queryに比べてより精度の高いSQLの生成が可能になりました。

AlloyDB AI 自然言語の概要 

we’re launching the next-generation of AlloyDB natural language

AlloyDB AIクエリエンジンの提供開始

次のような構文を新規にサポートすることで、テキストボックスに入力された自然言語や、チャットアプリのメッセージを直接検索することが可能になります。

SELECT *
FROM products p
WHERE p.price < 50
    AND AI.IF(p.brand || 'is a top-rated brand for skincare products');

この新しい構文により、例えばユーザーの自然言語検索への入力をそのままクエリの一部に使うことで、RAGアプリを素早く構築できるようになります。

Parameterized Secure Viewによる安全なデータアクセスを提供開始

PostgreSQLのビューを拡張したパラメータ化されたセキュアビューによる、特定のデータにのみアクセスを許可することができる機能がPreviewステータスでリリースされました。

この機能はRow Level Securityとは違いビューレベルでの制御のため、基本的には普通のテーブルを利用し、特定のワークロードのみセキュアビューを使うという使い方ができます。それにより従来のワークロードはそのまま利用し、新しい機能や特定の機能のみに絞ってデータアクセスを制限することが可能になります。

パラメータ化された安全なビューの概要 

AlloyDB for PostgreSQL release notes 

VertexAIからGemini以外のLLMの利用が提供開始

これまでAlloyDB Omniで先行的に提供されてきた、Hagging FaceやOpenAIといったGemini以外のサードパーティーのLLMを使ったAI機能の利用がAlloyDBでもPreviewステータスでリリースされました。

このリリースによりLLMの選択肢が増え、柔軟な選択が可能になります。

今回利用可能になるモデルにはマネージどなモデルの他にもセルフホスト型モデルやプライベートエンドポイント経由で利用可能なモデルも含まれています。

AlloyDB の概要でリモート AI モデルを登録して呼び出す

Google Cloud databases supercharge the AI developer experience

AlloyDB Omniのパフォーマンスが大幅に向上

AlloyDB OmniにOSS PostgreSQLと比べて最大4倍のパフォーマンス改善が可能になるのAtomic I/OがPreviewステータスでリリースされました。

これにより、Google Cloud以外の環境でAlloyDBを動かすときに大幅なパフォーマンス向上が見込まれます。

I/O アクセラレーションを使用して AlloyDB Omni のパフォーマンスを向上させる

AlloyDB Omni release notes 

Aiven for AlloyDB Omniが一般提供開始

AlloyDB Omniを様々な環境でマネージドサービスとして動かすことができるAiven for AlloyDB OmniがGAステータスでリリースされました。

これにより、Google Cloud以外のクラウド環境でもAlloyDBの優れた機能を利用することが可能になります。

Managed Google AlloyDB Omni service |Aiven

Cloud SQLの改善

Armベースのコストあたりのパフォーマンスが高いインスタンスの提供開始

Googleが開発するArmベースのCPUであるAxionがPreviewステータスで利用可能になりました。

Axionインスタンスを利用することで、従来のNシリーズのインスタンスに比べて50パーセント近いコストパフォーマンスの改善が可能になります。

AWSが提供するArmベースのCPUであるGraviton 4で動作するAmazon Auroraに対して最大2倍のスループット改善が可能です。

Google Axion processors boost AlloyDB, Cloud SQL, major customers, and ISVs

データベース接続を管理する | Cloud SQL

マネージドコネクションプーリングの提供開始

Cloud SQLでコネクションプーリングを提供する機能がPreviewステータスでリリースされました。

これまでCloud SQLではリードレプリカインスタンスを建てることで参照処理のスケールアウトが可能でしたが、コネクションプーリングの提供がありませんでした。

マネージドコネクションプーリングを利用することで、突然のコネクション数のスパイクに対応できるほか、接続時のパフォーマンス改善、読み取りワークロードのスケーラビリティの向上が期待できます。

より高機能なQuery Insightsの提供開始

パフォーマンスボトルネックを特定するためのツールであるQuery Insightsに、より高度な機能を提供するQuery Insights for Enterprise PlusがGAステータスで提供されます。

この機能はデータベースのクエリパフォーマンスの課題をほぼリアルタイムで検出し、トラブルシューティングや予防に役立てることができます。

Cloud SQL for MySQL release notes 

Cloud SQL Enterprise Plus エディションの Query Insights

AI Assistanceによるトラブルシューティング機能の提供開始

AI Assistanceを使ってスロークエリの改善とデータベースの高負荷を改善する機能がPreviewステータスでリリースされました。

AI AssistanceはCloud SQLのAIアシスタント機能とGemini Cloud Assistantを利用し、調査・分析・推奨事項の取得ができます。それらの情報をもとに、クエリやデータベース構成の最適化を行うことが可能となります。

そのためDBAはもちろん、データベースの管理を専門としない開発者がデータベースの改善を行うことができるようになります。

Cloud SQL for MySQL release notes 

AI の支援機能による Cloud SQL のモニタリングとトラブルシューティング

Spannerのマルチモデル化

AI Assistanceによる最適化とパフォーマンス改善が提供開始

AI Assistanceを使ってスロークエリの改善とデータベースの高負荷を改善する機能がPreviewステータスでリリースされました。

AI AssistanceはSpannerのAIアシスタント機能とGemini Cloud Assistantを利用し、調査・分析・推奨事項の取得ができます。それらの情報をもとに、クエリやデータベース構成の最適化を行うことが可能となります。

そのためDBAはもちろん、データベースの管理を専門としない開発者がデータベースの改善を行うことができるようになります。

Spanner release notes 

Gemini の支援機能を使用して最適化とトラブルシューティングを行う 

Cassandraインターフェースの提供開始

SpannerでCassandra互換インターフェースがPreviewステータスでサポートされました。

SpannerがCassandraクエリ言語(CQL)をサポートすることで、KVSまたはワイドカラムストア形式のデータを扱えるようになりました。

それに伴いこれまでCassandraで動作していたワークロードをこれまでより少ないアプリケーション改修でマイグレーションすることが可能になります。

Spanner release notes 

Cassandra から Spanner に移行する 

グラフデータ可視化機能の提供開始

Spannerでクエリしたグラフデータを可視化する機能がGAステータスでリリースされました。

これによりSpannerに保存されているデータをクエリすることで、グラフデータを直観的に解釈することが可能になりました。

グラフの特定のノードや接続からなるサブグラフにドリルダウンしていくことで、グラフの探索を可能にします。

Spanner release notes 

Spanner Graph の可視化を使用する 

ベクトル検索機能が提供開始

これまでPreviewステータスで提供されてきたSpannerのベクトル検索機能がGAステータスでリリースされました。

Spannerの備える事実上無制限のスケーラビリティと高い可用性、1桁ミリ秒単位のレイテンシにより要求の高い要件でのベクトル検索が可能になりました。

Build generative AI and similarity search applications at virtually unlimited scale with Spanner

Spanner vector search is now generally available

より高速なRead / Writeが提供開始

これまでも1桁ミリ秒オーダーのパフォーマンスだったSpannerのRead / Writeをより高速にするReduced latencyがGated Previewステータスでサポートしました。

これによりSpannerのRead / Writeパフォーマンスが最大50%改善され、これまで対応が難しかったリアルタイムワークロードで利用可能になりました。

MySQLワークロードへの対応を強化

MySQLのデフォルトトランザクション分離レベルであるリピータブルリードへのサポートをGated Previewステータスでサポートしました。

これによりこれまでSpannerのトランザクション分離レベルと差分があり、Spannerへの移行が難しかったMySQLを移行可能になります

Bigtableのインターフェース追加

Cassandraインターフェースの提供開始

BigtableにCassandraのインターフェースでアクセスするCQLクライアントと、Cassandra-Bigtable proxyアダプタがPreviewステータスでリリースされました。

これによりCassandraワークロードを簡単にBigtableへマイグレーションすることが可能になり、非マネージド環境で動いているワークロードの運用を省力化することができます。

Bigtable release notes 

SQLインターフェースの提供開始

BigtableのデータをSQLインターフェースでSELECTを実行する機能がGAステータスでリリースされました。

これによりテーブルの状態を簡単に確認できるようになるほか、SQLでアクセスするELTツールなどからもアクセスが容易になります。

またこの機能を使うことで、使い慣れた分析者が使い慣れたSQLでデータを集計することができるため、アドホックな分析が可能になります。

Bigtable 用の GoogleSQL の概要

Bigtable release notes 

クエリエディタの提供開始

Bigtable Studioのクエリエディタ機能がGAステータスでリリースされました。

これにより、コンソール上からSQLでBigtableのデータを取得し、アドホックな分析やデータの確認ができるようになりました。

クエリエディタで SQL を使用してデータにクエリを実行する

Bigtable release notes 

論理ビューの提供開始

BigtableテーブルのデータをSQLでクエリしやすい状態で提供する論理ビュー機能がPreviewステータスでリリースされました。

この機能により、列のマッピングや型変換といった処理を一元化し、ワイドカラムデータをリレーショナルデータとして取り扱いやすくするほか、SQLインターフェースに向けた一貫したテーブルインターフェースを提供することができるようになります。

論理ビューの作成と管理

Bigtable release notes 

継続的マテリアライズドビューの提供開始

Bigtableのリアルタイム指標をアプリに提供するのを大幅に簡略化する継続的マテリアライズドビューがPreviewステータスでリリースされました。

更新・削除・遅延を自動で集計しアップデートし続けることができるため、都度の集計処理が不要になり、アプリケーションへの統合が簡素化され、また間接的にパフォーマンスが向上することを期待できます。

Bigtable release notes 

FirestoreのMongoDBサポート

MongoDBインターフェースの提供開始

Firestoreの優れたスケーラビリティと可用性、1桁ミリ秒のレイテンシを備えたMongoDBインターフェースがPreviewステータスでリリースされました。

これによりよりシビアな要件を備えるワークロードを信頼性の高いFirestoreを利用することが可能になります。

またサーバレス価格モデルのため、オンデマンドで利用した分だけ請求が発生します。

この機能はEnterprise Editionでのみ利用可能です。

we’re announcing the preview of Firestore with MongoDB compatibility.

Firestore with MongoDB compatibility release notes

MongoDB 互換の Firestore の概要

Enterprise Editionを提供開始

Firestoreの新しいエディオンであるEnterprise EditionがPreviewステータスでリリースされました。

Enterprise Editionではデフォルトのインデックスが不要になるほか、MongoDB互換のサポートや、各種リミットの上限追加、パフォーマンスの改善、すべてのデータにSSDが利用されるなどの機能が含まれます。

MongoDB向けクエリエディタを提供開始

Firestore Studioにクエリ補完機能を持つクエリエディタがPreviewステータスでリリースされました。

この機能はMongoDB互換で利用する場合のみ使用可能な機能となっています。

MongoDBが公式に提供しているクエリエディタツールの代替選択肢として利用可能です。

MemorystoreのValkeyサポートの強化

Valkeyが提供開始

Redisと完全互換のKVSデータベースであるValkey 8.0がGAステータスでリリースされました。

これによりライセンスコストがなく、パフォーマンスに優れるKVSであるValkeyをMemorystoreで利用可能になりました。

今後、新規でMemorystoreを利用する場合、Valkeyが推奨のデータベースエンジンとなります。

Memorystore for Valkey release notes 

OracleとGoogle Cloudのパートナーシップ強化

Oracle Base Database Serviceの提供開始

Oracle Base Database Serviceによる低価格で柔軟なOracle Databaseソリューションが

これまでOracle Database@Google CloudでのOracle Databaseの選択肢は、Autonomous Database Serviceではデータベースより上のレイヤしか操作ができず要件を満たせなかった場合や、Extadata Database Serviceではコストが高すぎるといったケースに対応することができませんでした。

Oracle Base Database Serviceの提供により、1コアから選択できるExadata Database Serviceより低価格で、Autonomous Database Serviceより柔軟性の高いOracle Databaseが利用可能になりました。

これにより、Exadata Database ServiceやAutonomous Database Serviceしか提供されていないからユースケースが合わなかったワークロードもGoogle Cloudに移行することが可能になります。

Oracle Base Database Service

we’re announcing support for Oracle Base Database Service

Oracle Exadata X11Mの提供開始

Oracleワークロードをデプロイするのに最適な環境であるOracle Exadataの最新規格であるOracle Exadata X11MがGAステータスでリリースされました。

これによりGoogle Cloud上でよりパフォーマンスの求められるOracle Databaseを運用可能になります。

Google Cloud and Oracle accelerate enterprise modernization with new offerings, regions, and capabilities

We’re also announcing general availability of Oracle Exadata X11M

Oracle Database@Google Cloudの東京・大阪リージョンが提供を発表

これまでOracle Database@Google Cloudは東京・大阪リージョンではサポートされていませんでしたが、Google Cloud NEXT 2025で年内の提供開始が発表されました。

これによりこれまで組織ポリシーによりデータを海外に保存することが難しかった企業がGoogle Cloud上のOracle Databaseを利用することが可能になります。

まとめ

Google Cloud Next 2025では生成AIを利用した機能や、生成AIから便利に使うための機能が多く発表されました。特にAlloyDBやSpannerといったGoogle Cloudが独自で拡張・開発しているリレーショナルデータベースに目覚ましい発展がありました。

またデータベース関連以外にも、さまざまな発表があります。

視聴可能なセッション動画は下記のリンクから探すことができますので、実際の雰囲気や他に気になるトピックがある方は覗いてみてください。

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