この記事では、脆弱性によるセキュリティリスクへの効果的な対策法をご紹介します。

脆弱性によるセキュリティリスクへの効果的な対処法とは?対策の流れを徹底解説! | sreake.com

nwiizo

2022.2.14

システムに脆弱性があると悪意のある攻撃が行われる可能性があり、セキュリティリスクを抱える原因になります。脆弱性が生じる原因は複数あるため、原因を理解したうえで効果的な対処を行わなければなりません。

今回は脆弱性によるセキュリティリスクの原因を紹介したうえで、効果的な対処法と対策の流れについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。

情報セキュリティ上の「脆弱性」とは?

情報セキュリティ上の「脆弱性」とは、OSやソフトウェアにおいて発生する、情報セキュリティ上問題となる可能性がある欠陥を指します。これは総務省において定義づけされているものです。「ソフトウェアやハードウェアが脆弱性を抱えている」といったような使い方をされる言葉です。

脆弱性を抱えていると、脆弱性をついて悪意のある攻撃が行われるケースがあり、情報の漏えいや不正ログインといった、運営上あってはならない事態に繋がる恐れがあります。

悪意のある攻撃を受けると、自社が被害を受けるのはもちろん、取引先企業や顧客にまで被害が及ぶ可能性もあるため注意が必要です。

脆弱性に対応するために、ソフトウェアを開発したメーカーが更新プログラムを提供するのが一般的ですが、脆弱性への対策はそれだけやっていればOKということはありません。

脆弱性は次々に見つかるものです。一度対策をしたら終わりではなく、常に情報を収集して必要に応じて迅速にアップデートを行うなどの対策が求められます。

近年ではOSやソフトウェアに対する脆弱性が発見された後、メーカーが更新プログラムを提供するまでに攻撃が行われるゼロデイ攻撃も増加しました。

更新プログラムが提供されるまでは、指摘された脆弱性の内容を確認し、該当の脆弱性に繋がる行為を行わないなど、普段以上に注意が必要です。

参考:総務省│国民のための情報セキュリティサイト 脆弱性(ぜいじゃくせい)とは?

脆弱性が生じる原因

脆弱性が生じる要因は、主に以下の5つです。

  • プログラムの不具合
  • プログラムの設計ミス
  • 想定と異なる利用方法
  • ミドルウェアの脆弱性
  • 新たな攻撃方法が生み出される

「プログラムの開発過程でバグが混入する」「コーディングミスがある」など、プログラムそのものに不具合があると、脆弱性が生じるきっかけになります。

セキュリティ上必要な設計が漏れているなど、プログラムの設計ミスがあることも脆弱性が生じる原因の一つです。上流工程で設計ミスがある場合や、設計通りであっても攻撃者から見れば攻撃可能な状態になっている場合、下流工程での修正は容易ではありません。

ハードウェアやソフトウェアの利用方法が多様化し、開発当初の想定とは異なる利用方法をされる中で脆弱性が生じる可能性もあります。開発段階でユーザーの利用方法すべてを想定するのは、不可能だと言えるでしょう。

使用しているミドルウェアに脆弱性が発見されると、システム自体に脆弱性が生じます。ミドルウェアの脆弱性を利用して他システムに攻撃をするといった危険性を秘めているため、システム全体の脆弱性に常に目を配ることが重要です。

近年では新たな攻撃方法が生み出されるペースも速く、システムの運用中には予想されていなかった脆弱性が攻撃者によって見つけ出されるケースも多く見られるようになっています。

脆弱性によるセキュリティリスク例

脆弱性によって起こりうるセキュリティリスクの例を3つほど紹介します。

システムへの不正侵入

脆弱性を放置していると、システムへの不正侵入を試みられるリスクがあります。

内部への侵入を許すとコードやファイルの改ざんが行われ、機密情報が抜き取られたり破壊されたりします。

不正侵入は自社だけの影響にとどまらず、他への攻撃の踏み台として利用される可能性もあります。踏み台として悪用されると、取引先や顧客に迷惑をかける可能性もあるため避けなければなりません。

データの改ざんや破壊、他への攻撃の踏み台としての利用以外にも、システムに不正に侵入された結果、管理者としての権限が乗っ取られるケースも見られます。

管理者権限が乗っ取られるとシステムが停止し、業務の継続が困難になる可能性もあるため、注意しなければなりません。システムの停止まではいかなくても、調査のために一時的にサービスを停止する必要が生じて大きな損害を被る場合もあります。

情報の漏えいや盗難

外部から内部ネットワークに侵入されなくても、情報が漏洩したり盗難に遭ったりするリスクがあります。たとえば内部に侵入せずに企業が公開しているウェブサイト上で情報を抜き取るといった攻撃が可能です。

情報の漏えいや盗難に関連する、脆弱性を利用した攻撃の例を確認しましょう。

脆弱性の例方法
SQLインジェクション・不正なデータベース言語を攻撃対象のウェブサイトに注入する
・注入した言語の命令を実行させる
クロスサイト・スクリプティング・攻撃対象のウェブサイト上に罠となるプログラムを仕込む
・訪問者が特定の行動をすると被害が出る

SQLインジェクションの「SQL」とは、代表的なデータベース言語です。ウェブサイトに不正なSQLを注入すれば、注入したSQLによる命令を実行できます。入力フォームやキーワード検索窓にSQLを仕込めば、データを抜き取ったり隠されているデータを盗み見たりできるのです。

クロスサイト・スクリプティングでは、攻撃対象のウェブサイト上に罠となるプログラムを仕込んで攻撃します。たとえば悪意のあるURLを仕込み、訪問者がリンクをクリックすると悪意のあるプログラムが実行されるといった仕組みです。

顧客の個人情報やクレジットカード情報など重要な情報が抜き取られると、信用の失墜や多額の損害賠償につながるため、警戒しなければなりません。

脆弱性に対するリスク対策

脆弱性に対するリスクを最小限に抑えるために、普段から行なっておくべき対策を紹介します。

脆弱性に関する情報を集める

脆弱性に対するリスク対策を行うなら、脆弱性に関する情報が欠かせません。情報は以下のようなところから入手できるため、常に最新の情報を集めましょう。

  • 製品ベンダー公式サイト
  • ニュースサイト
  • 脆弱性データベース
  • 注意喚起サイト

集めた情報を元に、OSやソフトウェアのアップデートを行うなど自社でできる対策を実施しましょう。

対策を行う際には、重要度や危険度の高い脆弱性から対策を実施する必要があります。

脆弱性診断ツールを利用する

脆弱性に対するリスク対策には、脆弱性診断ツールの利用も有効です。

自社で対策を行う場合に、「詳しい担当者がいない」「他の業務があって十分な時間が割けない」などの問題が起こるケースも見られます。脆弱性診断ツールを活用すれば、専門的な知識がなくても脆弱性の診断が可能です。

脆弱性診断ツールを利用すれば、脆弱性の件数や脆弱性の危険度が可視化されるので、対策しやすくなります。ツールによっては具体的な対策法も示してくれるため、専門知識がなくても問題ありません。

脆弱性診断サービスを利用する

脆弱性に対するリスク対策には、脆弱性診断サービスを利用する方法もあります。

脆弱性診断ツールは自動的に脆弱性の診断を行いますが、脆弱性診断サービスは専門知識を持った担当者が人の手とツールを活用して脆弱性診断を行ってくれるものです。

機械的な診断だけでは見つけ出せない脆弱性を発見できるケースも多いため、普段は脆弱性診断ツールを活用して対策を行い、定期的に脆弱性診断サービスを依頼するといった活用方法もあります。

バグバウンティを活用する

脆弱性に対するリスク対策には、バグバウンティの活用も効果的です。

バグバウンティとは、報奨金を設定してバグハンターに攻撃者目線で脆弱性を発見してもらう方法を言います。バグバウンティでは複数のバグハンターが様々な方面から攻撃を試みて脆弱性があるか確認してくれるので、脆弱性診断ツールなどでは見つかりにくい脆弱性への対策が可能です。

バグバウンティは効果の高い対策法ですが、内容を理解して対応方法を考えらえなければ脆弱性を発見しても対策が行えません。現在のところプラットフォームが海外に存在するので、バグハンターとのコミュニケーションを取るのが難しいのも事実です。

バグバウンティの運用代行サービスを活用すれば、専門知識がなくてもバグバウンティを有効活用できます。

弊社のセキュリティサービスである「Sreake Security」は、手軽に脆弱性診断を行える診断ツールから、 海外の4万人のバグハンターによる世界レベルでのセキュリティ対策など、 お客様のセキュリティ課題をフルカバーいたします。もし脆弱性に不安があるという企業様がいましたら、まずはお問い合わせいただければと思います。

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