はじめに
ここ数年で、ソフトウェア開発におけるAI活用は急速に進んでいます。特に「AIコーディング支援ツール」は、プログラマーの生産性を高める実用的な手段として注目を集めています。
GitHub CopilotやCursorなどのツールが広く利用される中、Anthropicの「Claude Code」が新たな選択肢として登場しました。本記事では、Claude Codeの特徴を整理し、代表的なツールとの違いを具体的な例を交えながら紹介します。
Claude Codeとは何か
Claude Codeは、Anthropicが提供する大規模言語モデル「Claude」をベースにしたコーディング支援ツールです。自然言語での指示をもとにコードを生成したり、既存コードを改善したりする機能を備えています。
特徴としては以下のような点が挙げられます。
- 文脈理解の深さ:長い仕様や複雑な要件を把握しやすい
- 自然言語での柔軟な指示:曖昧な指示や会話形式でも対応可能
- 安全性や倫理性への配慮:Anthropicの設計思想を反映
エディタやIDEとの連携も進められており、開発現場での利用が想定されています。
GitHub Copilotとの比較
GitHub Copilotは、GitHubとOpenAIの技術を組み合わせたコード補完ツールです。特徴は以下の通りです。
- GitHubとの親和性:リポジトリとの連携が容易
- 補完の即応性:短いコード補完に強い
- 利用者の多さ:エコシステムの広さによる情報量
GitHub Copilot では、ファイル内のコメントテキストなどを活用して指示します。
ファイル内完結になるため、複数のファイルを跨いでいるものや、複雑な指示では意図した通りの結果にならない場合が多くなります。
一方でClaude Codeは、短い補完というよりは自然言語で仕様を伝えてコードを生成するシナリオに強みを発揮します。例えば「この仕様書をもとにクラスを実装してほしい」といった場面や、出力結果に対して改善指示をしながら進める場面では Claude Codeが得意とするところです。
Cursorとの比較
Cursorはエディタ一体型で、AIを組み込んだペアプログラミング体験を提供するのが特徴です。
- 操作性の一体感:IDEの中で完結する体験
- ペアプロ的アシスト:コードの修正や提案が自然な流れで行える
- 開発フローへの組み込み:日常的なコーディングの延長として使える
画像の読み込み
Cursorでは画像ファイルの取り扱いも比較的スムーズです。例えばスクリーンショットやUIデザイン画像をドラッグ&ドロップで読み込ませたり、コピー&ペーストで読み込ませることが可能です。

一方でClaude Codeの場合、画像を利用するには一度プロジェクトのディレクトリに配置する必要があり、即時性という観点ではやや不便に感じられる場面があります。小さな差ですが、日常的に画像を扱うフロントエンド開発などでは、作業フローに影響を与えることもあります。

デバッグ作業
Cursor ではデバッグコンソール上のエラーログを簡単にチャットスペースにコピーすることが可能です。
そのため、デバッグ作業中や、試しにプログラムを実行した際にエラー対応を行う場合は、即座に修正対応を行うことができます


一方で Claude Code の場合、エラーテキストを手動で渡してあげるか、Claude Code 自体にプログラムを実行させて修正対応することになります


総じて、Cursorは「操作感と開発体験の自然さ」に強みがあり、Claude Codeは「自然言語による大規模な文脈処理」に優位性を持つという違いがあります。
基本コマンド
Claude Codeを使い始める際によく利用するコマンドをまとめました。これらを押さえておけば、ひととおりの操作が可能になります。
| コマンド | タイプ | 用途 | 備考 |
|---|---|---|---|
claude | CLIコマンド | 対話モード(REPL)起動 | プロジェクトディレクトリで実行すると文脈理解が強化される |
claude -c | CLIコマンド | 直近のセッションを継続 | ターミナルを閉じても前回のやり取りを再開可能 |
claude -p "query" | CLIコマンド | 単発クエリ実行 | 簡易操作や、とりあえず質問だけしたいときに便利 |
/login | スラッシュコマンド | Claude Codeへのログイン/アカウント切替 | 初回利用時やアカウント切替時に必須 |
/init | スラッシュコマンド | 新しいプロジェクトを初期化 | プロジェクト全体を読み込み、設定ファイルを作成・更新 |
まとめ
AIコーディング支援ツールにはそれぞれ異なる強みがあります。
- Claude Code:自然言語の理解、複雑な仕様からの生成に強い
- GitHub Copilot:即時補完、GitHub連携の利便性が高い
- Cursor:IDE一体型でペアプロに近い体験、画像取り扱いも容易
結論として「どのツールが優れているか」ではなく、開発スタイルや目的に応じて使い分けるのが最適だと感じられます。AIコーディングはまだ進化の途上にあり、複数ツールを試しながら自分に合ったものを見つけることが重要です。
体験談
私は Claude Code と Cursor エディタを併用しており、基本的にコーディングには Claude Code を使用しており、プログラムのテスト中のエラー発生時や、画像を取り扱う場合は Cursor エディタ上で一旦解決できるかを試みて、期待している結果でない場合は Claude Code で再実施するといった使い方をしています。
また、iOSアプリケーションの開発で Xcode(特定のIDE)を使用する必要のある状況の場合、IDE内のコンソールで Claude Code を使用できるため、複数のIDEを使用する状況が多い方にも Claude Code は便利なのかなと思ってます。
