【キャディ株式会社】プラットフォームチームへの技術支援、既存の仕組みをより高度にし課題解決を加速 | 活用事例

2022.8.16

会社名キャディ株式会社
本社住所東京都台東区蔵前1-4-1
代表取締役加藤 勇志郎
主な事業加工品製造サービス、図面データ活用クラウドの提供
従業員数516名(2022年7月現在)
ご支援提供時期2021年10月~

キャディ x スリーシェイク 対談

今回は、「技術支援サービスを提供する」スリーシェイクと、「技術支援サービスを利用して、インフラ強化を行う」キャディ様の対談形式でお届けします。

実際に当社サービスを利用される企業様が、どのような課題を持ち、その課題解決のためにどのように当社技術支援サービスを活用しているかご紹介いたします。

株式会社キャディ
テクノロジー本部
プラットフォームチーム
チームマネージャー
山田 圭一 様
株式会社キャディ
テクノロジー本部
プラットフォームチーム
プロダクトオーナー
飯迫 正貴 様
株式会社スリーシェイク
Sreake事業部
SRE

金子 雄

高度な技術的知見により、課題解決を加速させたかった

   

ー当社のSRE技術支援サービス「Sreake」をご利用いただき、ありがとうございます。早速ですが、貴社の概要についてお教えください。

 

(キャディ山田様)
キャディは、2017年に設立されたスタートアップ企業です。企業理念に『モノづくり産業のポテンシャルを解放する』を掲げ、モノづくりに携わるすべての人が、本来持っている力を最大限に発揮できる社会を実現し、そのために産業の常識を変える「新たな仕組み」をつくることを目指しております。2021年にはシリーズBを終え、累計で99.3億円の資金を調達しております。

現在当社は2つのサービスを提供しています。

1つめは、「受発注サービス CADDi」です。

全国のパートナー加工会社を集約し、板金・切削・製缶・樹脂類などの各種加工品を製造・提供しています。独自開発の原価計算・最適発注・生産管理システムを用いて、QCD (Quality [品質]、Cost [コスト]、Delivery [納期])の最適化、およびキャパシティの拡張・変動化に対応しています。

当社が提供する2つめのサービスは、「図面データ活用クラウド CADDi DRAWER」です。

製造業における最重要データである図面を軸に、製造業のサプライチェーンDXの実現を支援するクラウドシステムです。画像解析などの独自アルゴリズム(特許出願中)で実現した「類似図面検索」機能などにより、図面データを資産として活用可能にし、担当者を非生産的な業務から解放します。また間接コストの削減やナレッジ共有等の効果を期待できます。

Google Cloud運用の知見と、質問への丁寧な回答が選定の決め手

    ーお問合わせの経緯と、選定において重視したポイントを教えてください。
 

(キャディ山田様)
我々は、先ほどお話した2つのサービスの基盤の課題解決に当たるプラットフォームチームに所属しています。2021年7月にチームが発足したのですが、発足当初チームには私と飯迫の2名しかおりませんでした。

やらなければいけないことに対して手が足りていないことや、運用面における課題を解決するために、新たなメンバーが必要でした。そこで、スリーシェイクさんにご連絡をさせていただきました。

  (キャディ飯迫様)
重視したポイントとしては、我々はGoogle Cloudを利用しているので、Google Cloudの運用知見が豊富であることが必要でした。

  (キャディ山田様)
また、「組織のスケールを加速させるための、SREやインフラの高度な知見が欲しい」という点と、「IAM (Identity and Access Management) の運用見直しに関してサポートいただきたい」という点も重要でした。

   

ー当社の提案については、いかがでしたか。

  (キャディ山田様)
初回打合せ前に、当社から技術的な懸念事項や今後強化したいポイントをお送りしたのですが、スリーシェイクさんから非常に丁寧な回答をいただき、とても良い印象を持ちました。Google CloudやSREについても、丁寧にサポートしていただけそうだなと感じました。

  (スリーシェイク金子)
ありがとうございます。
初回は、Sreake事業部の部長である手塚が対応させていただき、いただいた内容についての回答は、私も含めSreake事業部全体で準備いたしました。

    ー技術支援にあたり、どのような関わり方・進行をしましたか?

  (スリーシェイク金子)
プラットフォームチームに参加させていただく、という入り方でした。OKRを達成するという活動を行いつつ、SRE のアプローチで課題解決を提案する、という進め方をしています。

 

(キャディ山田様)
当時チーム内では、「新たに立ち上げるSaaSの構築支援」と「既存のプロダクトの標準化や運用の高度化」に分けて業務を行っており、金子さんには後者を担当いただきました。

プロダクトとは離れた部分で、開発組織全体に対するアプローチも多数行っていただきました。

最も価値を感じたのは、チームの一員として信頼して仕事をお任せできること

    ーキャディさんはSREについてはどのようなアプローチを行っていますか

  (キャディ飯迫様)
当社ではSRE専門の部署はありませんが、プラットフォームチームがSREのプラクティスを導入するアプローチを行っています。
また、各プロダクトの開発チーム内に1人、「Embedded SRE」の役割を持つ開発者がいます。Embedded SREはプロダクト開発と並行して、プロダクトの信頼性に関する責任を持つと同時に、プラットフォームチームの施策を開発チーム内に広げる役割を担っています。こうしたプラットフォームチームとEmbedded SREの連携により全体の最適化を目指しています。

   

ーSRE浸透のために、どのようなアプローチを行いましたか

 

(スリーシェイク金子)
SREを浸透させるうえで最も意識していたのは、「小さくはじめる」という点です。既存の仕組みを一気に切り替えると、影響範囲も大きいことなどから、変更に関する批判的な意見も出てくるかと思います。このため、影響範囲が小さいところから、成功体験を積み上げていくようなアプローチを取るように意識していました。

また、以前に私が支援した企業様は「SREの組織」があり、「専任のSRE」が配属されている、といった役割が明確な組織でした。しかし、キャディさんのプラットフォームチームは SRE プラクティスを利用して戦略的に「技術課題を解く」ことを目的としたチームだったので、個人的には興味深かったです。プラットフォームチームから組織に対して、どのようにSRE プラクティスを浸透させていけるのかという点を考えるのは楽しく、やりがいを感じながら支援に取り組んでいます。

    ー当社のSRE支援ではどのような成果がありましたか

 

(キャディ飯迫様)
我々が担当しているプラットフォーム部分に関して、その改善を定量化することは難しいところがあります。

ただ、金子さんに携わっていただいた運用の高度化周りでは、ミドルウェアのバージョン更新を行いやすくなったことや、IAMが整理されたことで新しいエンジニアが入社した際の権限付与作業が簡略化されるなど、目に見えて改善しています。

 

(キャディ山田様)
他にも、不要なアラートの削減や閾値の見直しを行っていただき、時間が奪われることが減りました。その結果、生まれた時間を用いてプラットフォームチームが本来提供するべき価値提供を行えるようになりました。

また金子さんには、SREの土台作りの取り組みも進めていただきました。SLOの設計支援もその一つです。その結果、プラットフォームチームとしてのSLI、SLOを定めることができました。

 

(スリーシェイク金子)
また、最近は kubernetes のエコシステムの改善をしています。
CI/CD での自動化はされているが、コマンドでデプロイされていたアプリケーションの ArgoCD への移行や、非推奨になった secret 作成ツールの移行なども対応させていただいています。
既にほとんどのプロダクトは ArgoCD を使用していましたが、移行が劣後していたプロダクトがありました。その移行をやりきることによりKubernetesを利用する全プロダクトのデプロイフローを統一することができました。
ほかにも、ArgoCD のアップグレードや、非推奨になったKubernetes External Secret を External Secret Operator に移行するなどの対応をさせていただいています。

 

IAM の再設計により、トイルを削減

    ーIAMの部分では、どのようなご支援を行いましたか。
 

(キャディ飯迫様)
組織が拡大していくなかで、その拡大に耐えられるようなIAMの設計を行う必要がありました。これまでは性善説のような認識で運用されてきたのですが、そこの見直しが急務でした。

 

(スリーシェイク金子)
参画当初を振り返ってみて正直な感想を言うと、IAMの運用こそが最大の課題だと感じていました。
各プロダクトのエンジニアの強みを最大限に発揮できる環境を作り出すという点を常に念頭に置いていました。それと同時に組織のスケールに対応できるような設計を行いました。

 

(キャディ山田様)
以前は個人に対して権限を付与しており、プラットフォームチームでの集中管理が必要でしたが、IAMの再設計により開発チームへの権限移譲が可能になりました。結果、IAMの管理においてプラットフォームチームがボトルネックになることなく、開発チーム内で完結できるようになりました。

 

(スリーシェイク金子)
IAM再設計をする中で、様々なステークホルダーと話をすることがあったのですが、ビジネス側のステークホルダーの方など、技術面にそこまで詳しくない方にいかに納得していただけるか、という点は常に意識してコミュニケーションを行いました。

 

(キャディ山田様)
「なぜIAMの変更が必要か」といった背景の説明や、移行プロセスの共有なども実施いただきました。
IAM移行について全てお任せでき、その後も無事に運用できており、非常に助かっています。

広い領域での多くのナレッジが、より高度な仕組みづくりをしたい企業の助けに

    ースリーシェイクのSRE技術支援サービス「Sreake」は、どのような企業におすすめできますか。

  (キャディ飯迫様)
我々のようにプラットフォームチームやSREチームを立ち上げたい企業だけでなく、より高度な仕組みづくりをしていきたい企業の助けになっていただけると思います。

 

(キャディ山田様)
一緒にお仕事させていただく中で、スリーシェイクさんは、SREやGoogle Cloudについて、広い領域で多くのナレッジをお持ちだと感じています。

そのため、現状のやり方に疑問を持っている企業、より高度にしたい企業、現状に壁を感じているような企業におすすめできます。これ以上スケールするにはどのようにすればよいか、さらに改善するにはどうすればよいか、こうした悩みを持つ企業に対して、非常に高いレベルでサポートいただけると思います。

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