目次
- インフラストラクチャとは何か
- インフラストラクチャの重要性
- ITインフラストラクチャの技術トレンド
- ITインフラストラクチャに関連する技術やチーム
- 優れたITインフラストラクチャを構築、維持するために必要なこと
1.インフラストラクチャーとは何か
インフラストラクチャとは、一般的に「下支えするもの」や「基盤」を意味し、日常生活では電気、ガス、道路、鉄道などの基盤設備を指します。
IT業界においては、ITインフラストラクチャは「IT環境の運用と管理に必要なハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、データストレージなどのコンポーネント」を指します。
つまり、アプリケーションやシステムを支えるための基盤がITインフラストラクチャと呼ばれています。
これらは企業のITサービスやソリューションを提供するために不可欠であり、従来は主にオンプレミス環境の物理機器を示していましたが、現在はクラウドベースのインフラストラクチャサービスを指す場合も多くなっています。
2.インフラストラクチャーの重要性
ITインフラストラクチャは、企業のITシステムの基盤として重要な役割を果たします。適切に設計・管理されたインフラストラクチャは、システムの安定性、パフォーマンス、セキュリティを確保し、ビジネスの継続性を支えます。
例えば、サーバーやネットワークのダウンタイムが最小限に抑えられることで、業務の中断を防ぎ、顧客満足度の向上やサービスの信用に寄与します。
効率的なインフラストラクチャの利用は、システムのコスト削減にも寄与し、新たなビジネスへの投資を加速できるなど、企業の競争力を高める要因にもなります。
逆に、インフラストラクチャが適切に設計されていないサービスはセキュリティや可用性などの点で多くの問題を抱えることになります。
例えば、第三者からの不正アクセスによる内部情報の流出やDDoS攻撃によるサーバーへのアクセス障害などが代表的な問題として取り上げられます。
不正アクセスは情報の流出だけでなくランサムウェアのように仮想通貨などの金銭の要求をしてくる場合があります。
このようなサイバー攻撃に対しても、インフラストラクチャのセキュリティ対策をきちんと行っておかないと、悪意のあるアクセスを検知できないどころか、個人情報の漏洩などの重大な問題に発展するリスクが高まります。
最適化された信頼性の高いインフラストラクチャは、企業やサービスにとって非常に重要な役割であるといえます。
3.ITインフラストラクチャの技術トレンド
ITインフラストラクチャの最適化や信頼性向上に対しては、現在さまざまな手法や技術によるアプローチがされています。
最新のITインフラストラクチャのトレンドには、クラウドコンピューティング、IaC(Infrastructure as Code)、運用自動化や可視化のためのツールなどがあります。
例えば、Google Cloud、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなどのパブリッククラウドは、スケーラビリティと柔軟性を提供し、企業が迅速にリソースを拡張できるようにします。
IaCは、インフラストラクチャの設定をコードとして管理することで、一貫性と再現性を確保し、運用の効率化を図ります。代表的なツールにはOSSのterraform、AWSのCloudFormationなどがあります。
また、運用自動化ツールの代表例はCICD(継続的インテグレーションと継続的デリバリー)で、リリースプロセスを自動化し、デプロイメントの迅速化とエラーの削減を実現します。OSSのGithub ActionsやAWS Code Deployなどが利用されています。
可視化ツールはオブザーバビリティツールとも呼ばれ、システムのパフォーマンスや異常をリアルタイムで監視し、問題の早期発見と解決を支援するツールで、近年のITインフラストラクチャにおける最重要トレンドとなっています。
どこで何が起きているのかを視覚的に辿ってトラブルを解決したり、ユーザ行動を可視化することは、システムの安定運用だけでなくサービスの迅速な機能改善にも繋がります。 オブザーバビリティツールには、DataDogやNewRelicなどのSaaSがよく利用されています。
4.ITインフラストラクチャを支える組織
インフラストラクチャの運用と管理には、SRE(Site Reliability Engineering)チーム、CCoE(Cloud Center of Excellence)組織の設立などが重要とされています。
SRE(Site Reliability Engineering)チームは、システムの信頼性と可用性を確保するための専門知識を持ち、インフラストラクチャの設計、運用、トラブルシューティングを担当するチームです。
運用にソフトウェアエンジニアリングの原則を適用し、さまざまな運用自動化やデータ可視化などを行う組織横断チームであり、データドリブンなサービス運用やコミュニケーションを促進する役割を担います。
CCoE(Cloud Center of Excellence)組織は、クラウドサービスを高度に利用したプラットフォームの構築、運用、および進化に関する戦略の策定から、ベストプラクティスやガバナンスの確立、クラウドサービス知識の共有などを行います。
ITインフラストラクチャとしてクラウドサービスの利用が進み、パブリッククラウドをシステム基盤として選択することが増える中で、利用ルールやセキュリティの担保などは重要な観点となります。社内横断的なCCoE組織を設立することで、共通ツールの整備や、クラウド利用に関するルールの統制、各サービスのコスト戦略の検討などが可能になります。
こうしたチームの組閣によって、ITインフラストラクチャの安定性が向上し、システム全体やビジネスの成長を目指すことができます。
5.優れたITインフラストラクチャを構築、維持するために必要なこと
IT技術の発展によってITインフラストラクチャが高度化する中で、信頼性が高い優れたインフラストラクチャを構築・維持するためには、先進的なツールや組織の導入が必要不可欠となっていきます。
新しいツールの導入や、SREチームやCCoE組織の整備は、最新の技術とベストプラクティスを活用し、モダンなインフラストラクチャの実現につながります。
特に、ITインフラストラクチャに関する高度な技術知識を持つ組織を導入することで、企業は迅速かつ効率的にインフラストラクチャを管理し、ビジネスの成長に向けた取り組みに集中することができるようになります。
Sreakeは、これらのツールや組織の導入や、モダンなインフラストラクチャの構築をサポートするためのソリューションを提供しています。
クラウドサービスを最大限に活用したクラウドネイティブなシステムや、マイクロサービス、自動化、オブザーバビリティツールなど、高度な技術知識を持つエンジニアを多数擁し、これまで多様な業界の多くのお客様に対して、最先端の開発ツール導入や、SRE/CCoEチームの組閣などを実施しております。
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