はじめに
2023年10月30日、Googleが提供するBIツール「Looker」が政府認定クラウドサービス(通称 ISMAP) に認定されました。
「Looker」が“政府認定クラウドサービス”に Google提供のBIツール
LookerはBIツールだけにはとどまらない機能を多く有しており、多くの企業で利用されているツールの1つとなっています。
しかし、「Lookerとは具体的にどのような事ができるのか?」「Lookerの操作は難しいと聞くが、実際どうなのだろう」と思っている方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、Lookerについて基本的な概要や特徴、「どんな企業やユーザーにおすすめなのか」といった点について紹介していきます。
Lookerとは
- GCPで提供されているデータアプリケーションプラットフォームです。
- 元々はLooker社で開発されていたサービスでしたが、2020年2月にGoogleが買収、Google Cloudサービスの一つとなっています
Looker の買収手続きが完了 | Google Cloud 公式ブログ
- 元々はLooker社で開発されていたサービスでしたが、2020年2月にGoogleが買収、Google Cloudサービスの一つとなっています
- 企業内のデータを統合、分析・可視化し、様々なデータソースからデータを取り込む事ができます
- また、既存のアプリケーションやWebサイトに組み込んで分析情報を提供しやすい環境を作ることも可能です
- Lookerはクラウドデータベースを利用しており、データベースを物理的に保持しておく必要はありません
Looker ビジネス インテリジェンス プラットフォームと組み込み型分析 | Google Cloud
Looker(Google Cloud core)
2023年5月からGoogle Cloudコンソールから起動できる「Looker (Google Cloud core)」がリリースされます。
Google Cloud コンソールから Looker の提供を開始 | Google Cloud 公式ブログ
今まではLookerを利用するための専用URLを開き、そこからログインが必要でした。
しかしGoogleCloud coreの登場により、Google CloudコンソールからLookerを利用できるようになりました。
こちらは30日間の無料トライアルが可能で、比較的手軽にLookerに触れることが出来ます。
このように、Lookerは高いカスタマイズ性や多種多様な機能を有しており、「自社にとって扱いやすいツール」として作っていく事が出来るのが強みとなっています。
「コアなニーズや業務があり、他のツールでは対応ができなかった」といったユーザーや企業においては活用の場面が大いにあるツールです。
Lookerのできること・特徴
Lookerには様々な機能があり、BIツールにとどまらない運用が可能です。
今回は、その機能の中から特徴的な点をピックアップして紹介していきます。
データの可視化・データの可視化
動的ダッシュボードを作成し、リアルタイムに基づいた可視化を行うことが可能です。
ダッシュボードの作成・編集はUI上で行うことができ、専門的な知識がないユーザーでも手軽に操作することができます。
データのアップロードが不要
Lookerはデータを保存しておくためのストレージがなく、直接データソースへアクセスしデータを取得するという仕様となっています。
データを移動する時間や工数を短縮できるため、スムーズな分析が出来るのはもちろん、「データが複数箇所に散らばってしまう」という問題を回避することができます。
独自言語「LookML」を利用したSQL生成・データ定義管理
LookMLはアナリスト向けの独自言語で、Lookerで取り扱うデータソースの集計・計算・データの関係を記述・設定することが出来ます。
データソースごとに違う名前で表記されているデータでも、LookMLで名寄せをすることで部署・チーム間での「認識の齟齬」等を回避することもできます。
Gitクライアントを利用することにより、LookMの変更内容を保存しておくことが可能です。
LookMLの紹介 | Looker | Google Cloud
多くのデータソースやツールとの連携
Lookerは様々なデータソースやツールとの連携が可能です。
【連携可能サービス一例】
- データソース・ストレージ
- BigQuery
- Amazon Redshift
- Snowflake
- MySQL,PostgreSQL等のリレーショナルデータベース
- Google Cloud Storage
- Amazon S3
- BIツール等
- Tableau
- Looker Studio
- Slack
料金形態
具体的な料金プランの公表はされていませんが、利用用途・運用規模に合わせた適切なプランをGoogleサポートから提案してもらえます。
Looker ビジネス インテリジェンス プラットフォームの組み込み型分析 | Google Cloud
Lookerと他BIツールとの違い
LookerはBIツールとしての活用が多いため、他のBIツールと比較される場面が多いです。
しかし、Tableauを始めとした「誰でも扱えるBI」とは異なり、専門的な分析の知識、SQL、プログラミングスキルを所持していないと扱いが難しいツールとなっています。
特に、「Lookerのできること・特徴」で記載したLookMLについては、Lookerを利用する上では必須のものとなっており、この言語についての理解が必要となります。
しかしその分、高度な機能やカスタマイズ性を有しているため、活用することができれば様々なニーズや業務に対応出来るツールです。
Lookerはこんなユーザー・企業におすすめ
技術的な面は要求されるものの、Lookerはデータ分析・開発に長けた人材や社内での活用・運用を取り入れる事ができればBIツールにとどまらない利用をすることが可能です。
そんなLookerですが、次のようなユーザーや企業におすすめです。
- データアナリストと言った「データに関する専門職」人材をもっと活躍させたい
- 分析業務の属人化や、データの分散化を解消したい
- データ分析だけではなく、データの可視化、アプリ開発と言った業務にも対応できるツールを利用したい
最後に
今回は、GoogleCloudの提供するBIツール「Looker」について特徴等を簡単にまとめました。
ISMAPの認定により、Looker導入を検討する企業も今後増えると思われます。
Lookerは利用するために必要となる知識の難易度が少し高めなツールではありますが、他のBIツールにはない魅力的な機能や活用方法を備えています。
もし、Lookerが現在の企業ニーズに当てはまる場合は、導入を検討してみるのはいかがでしょうか。